アースランテ対ラゴス(一)/朧月夜
そんな次第で、アースランテとラゴスの戦陣は切っておとされた。
まず、アースランテはラゴスの南の要塞都市である、
サンクト・ガリに攻めこむ。サンクト・ガリの守備兵は六千人。
それに対して、アースランテは一万五千の兵力を有していた。
サンクト・ガリは、四〇〇マルテにも及ぶ防壁を擁している。
その要塞を突き崩すのは、アースランテでも容易ではなかった。
まず、攻城兵器で攻撃をしかける。
しかし、ラゴスにはラゴスなりの策略があったのである。
ラゴスの国には、エミル・アザルという魔導士がいた。
この魔導士こそが、ラゴス一のネクロマンサーだったのである。
エミル・アザルは、異界から大勢の魔物たちを呼び寄せる。
その魔物たちによって、アースランテの兵士たちは、
次々に倒されていった。「このままでは勝ち目がない」アースランテの
千人隊長たちは言った。そこで自分こそは、と思ったのがアイソニアの騎士である。
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