アースランテ対ラゴス(三)/朧月夜
 
サンクト・ガリはそのころ、炎の結界で街を守っていた。
それに対して、アースランテは風の結界で攻撃をしかける。
いずれにしても、両者が互いに屈することはなかった。
サンクト・ガリは、ラゴスのなかでも勇猛な街だったのである。

アイソニアの騎士は、歯噛みした。「自分が千人隊長であれば」
と、しかし、アースランテにはすでに三人の千人隊長、
エリス・ガザンデ、ゴゴイス・リーゲ、アラス・ロザンがいたのである。
「このわたしを、前線に出してはいただけませんか?」

アイソニアの騎士は言う。それに対して、千人隊長たちは言った。
「アイソニアの騎士よ、そなたにはゾフィアスの魔剣がある。
 もし、それが相手の魔力を封じることができるのであればな……」

アイソニアの騎士は、その言葉にうなづいて言った。
「そうだ。俺はまだこの国で武功を立てていない。まずは、戦功を
 あげなければいけないのだ」その口調には悲哀とも呼べる調子がおびていた。
   グループ"クールラントの詩"
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