アースランテ対ラゴス(七)/朧月夜
ガイザ・ネハの目に射られた者は、狂戦士となる。
狂戦士、すなわちバーサーカーである。
己の理性を失った者たちは、周りにいるすべての者たちに、
攻撃をしかける。例え、それが味方であろうとも、敵であろうとも。
ガイザ・ネハを召喚する長点は、
劣勢の味方を回復することにある。すなわち、
敵は敵同士をもって攻撃をし始めるからである。
エミル・アザルもそのことをよく分かっていた。
アースランテの兵は、今は七千に、そして六千へと、
減ろうとしていた。ここでサンクト・ガリを守り切れば、
ラゴスへの侵攻は阻まれるのである。
アースランテ、それはエミル・アザルにとっても難敵だった。
アイソニアの騎士がアースランテについたとあっては、
その活躍を抑えるためにも、アースランテの兵たちを葬らねばならなかった。
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