錯綜する思惑(九)/朧月夜
 
アウゼル・ローガンテは全軍に命じた。
「アースランテを敵とし、これを討て」と。
黒色槍兵団は色めき立った。「これは、本物の戦争なのか?」と。
そう。それは、本当の戦争だった。生死を賭けた戦いである。

今は、ヤーコンの諸国家がアースランテに与している。
状況によっては、クールラントもラゴスの敵となるであろう。
海外に領土を持っている、そのようなアドバンテージは、
今のラゴスにとって何の益にもならない。

この地、ライランテにおいて、ラゴスとアースランテとは、
雌雄を決さなければならない。そして、それが新たな世界を創ってゆく。
アースランテの背後から襲いかかれば、これを撃退することはたやすいであろう。

しかし、アースランテはすでにファシブルの国土の大半を制していた。
もし、政治が上手く行ったならば、アースランテは二倍の国土を持つことになる。
そしてその影響力は、ライランテのすべてに及ぶことになろう……
   グループ"クールラントの詩"
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