ファシの戦い(一)/朧月夜
魔導の国家、ファシブルは古代の魔法帝国アルスガルデの末裔である。
ファシブルは女系の国家であり、代々女王が支配している。
今の国家元首はマリアノス・アリア・ガルデである。
しかし、彼女は傀儡の君主だった。
ハッジズ・ア・ラ・ガランデは、そうしたファシブルの弱点をよく理解している。
ファシブルの元老院は、マリアノスを排斥しようとしていた。
そこに、今回のアースランテの侵攻である。
ハッジズは、アルスガルデの力も手に入れようとしていた。
デーモンであるラーディガンの力を味方につければ、それは容易であるように思われた。
しかし、ファシブルも黙って力に屈してはいない。魔導士たちがドラゴンの助力を得、
アースランテを押し返そうとしていたのである。
アースランテとファシブルの戦いは、ドラゴンたちの前哨戦によって始まった。
アースランテはドラゴンたちの炎熱によって、城壁を破壊しようとしていた。
それに対して、ファシブルのドラゴンたちは空中からアースランテの軍勢を攻撃した。
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