ヒスフェル聖国参戦(二)/朧月夜
 
オスファハン・ラ・フェイブルは聖王の御前に立っていた。
膝を屈して、聖王オアシム・ラ・ハグールへの恭順の意を示す。
「今日、そなたを呼んだのは、他でもない。
 ヒスフェル聖国の今後のことを聞くためだ」
 
「ヒスフェル聖国の今後ですか。小生には過ぎた課題かと……」
「そんなことはあるまい。そなたはライランテ一の魔導士。
 臆することなく発言するが良い」
「ライランテ一などではありません。今は、エインスベルがおります」

「そう。彼女の一命にも関わることだ。オスファハンよ、
 余は、このライランテ戦争に参戦しようと思っている。
 そのために足りないものは何か、過ぎたるものは何か、教示してほしい」
 
「教示などと、おこがましいことであります。しかし、
 聖王が本当にアースランテとの戦いを望んでいらっしゃるのであれば……」
オスファハンに躊躇うところはなかった。着々と戦争の準備について説明していく。
   グループ"クールラントの詩"
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