それぞれの戦い(六)/朧月夜
「不遜な言葉を吐きますな。あなたは無双だとでも言うのでしょうか」
エミル・アザルはエリス・ガザンデに向かって話しかける。
「……あなたの命は守ってみせます!」そう言って、
まずは、護衛兵の二人がエミル・アザルに斬ってかかった。
しかし、エミル・アザルは次元跳躍の魔法を使う。
そして、エリス・ガザンデの頭上に現れた。
交わされる剣と剣。エミル・アザルの剣は、
エリス・ガザンデの騎乗している馬の手綱を断ち切った。
「おのれ。魔導士ごときが……」エリスは叫ぶ。
「騎馬に乗っている分、小回りが効かないようですな」と、エミル。
「そうであれば、馬を捨てるのみ。行くぞ!」
エリス・ガザンデは数名の兵士たちとともに、
エミル・アザルと対峙した。しかし、その時、エミルは
別の呪文を唱える。ウーラ・フラグ、全身を炎に包む魔法である。
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