アイソニアの騎士、立つ(十一)/朧月夜
 
しかし、戦いとは根本的に個人の問題なのかもしれない。
盗賊ヨランは、世の中の巡り合わせは、本来人そのものの
生き方によって左右されるものだと思っていた。
ここにアイソニアの騎士がいる、それ以上の問題はない。

アイソニアの騎士は、国王ハッジズ・ア・ラ・ガランデに面会を申し込んだ。
「久しぶりだな、グーリガンよ。また戦線を離脱する、
 そういう言い訳をしにきたのか?」
「違います、王よ。わたしはイリアスという少女を求めて来ました」

「イリアス……。イリアス・ガ・ラ・ハルデンのことか?」
「彼女は、イリアス・ナディです。王よ」
「来た。いいや、正確には違う。彼女はクールラントの虜囚となっている」

「フランキスが来たのですか!」と、アイソニアの騎士。
「フランキス? そのような名であったかもしれぬ」
「彼女の命は今危険なのです! わたしが救い出さないと!」
   グループ"クールラントの詩"
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