アイソニアの騎士、立つ(十三)/朧月夜
 
「そのイリアス、今はどこにいるのかな?
 この王宮に来たのはフランキスだけだった。
 今、イリアスはクールラントに捕らわれているのであろう」
ハッジズ・ア・ラ・ガランデは遠くを見るような目で言った。

(この方には、ライランテの未来以外には何も見えていないのか?)
アイソニアの騎士は、会話の隙をぬってそのように思った。
「王よ、イリアスを救出する許可をください。それまでは、
 わたしは戦線に復帰することはありません」

「どこにも行く場所がなくなるぞ? グーリガン。
 一刻も早く、ラゴスとの戦闘に合流すべきだ。違うか?」
「違いません、王よ」アイソニアの騎士は苦渋に満ちて行った。

「ならば、行け! クールラントがこの戦いに参戦するのも間近だろう」
「はっ。あなたとの交渉は決裂しました。しかし、わたしはアースランテの人間です」
「そう願っている。お前を処刑しないためにもな……」
   グループ"クールラントの詩"
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