目に見えぬ そてつの花粉 やるせなく 潮の先触れ 丘下り ああ風は 吹いたり止んだりの まるで ゆえなきビブラート 掬ったみそらで すすぐ顔 静まりかえって もがり宮 疾風怒濤の 蝶の舌 星のむくろに じゃれる猫 丘のむこうへ 花散って また来ん春の 桜とも