春雨は途切れることなく葉から葉へ/道草次郎
 
雨。
時々、蛙。

波状に、しきり
たゆみなく
それでいて、まろく
忘れてしまう。

よいものはみな
うっとりの
忘却の底。

じつに
屋根も素敵に育ち。

巻貝をくぐる
ほぉ
南風。

私も
いつかしか深緑な雲母。

   グループ"幻想の詩群"
   Point(9)