『 デッサン DESSIN 』/ハァモニィベル
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『 デッサン DESSIN 』
『廃屋』
押入れの中で舌を出している人形が、
暗闇に腹を立てていた
しずかな雨の音に
埃だらけの靴は下駄箱でかぶりを振る
干枯らびた植物たちの悲鳴が声もなく横たわって眠る二階の
廊下からは時折、
瘠やせた軋きしむ音がリズムを打って点滴たり堕ちてくる
懐かしさが喉を鳴らし
巨大な老犬の大きな舌のように、頬を、ぺろぺろと舐めてくる ――
その舌の動きが続いていた。…すぎた刻を描くように。
『触覚』
夢性の触覚は、渦巻くような慌ただしさで動く。
静粛な昼下が
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