Cigaretteが消していく未来と命/りゅうのあくび
て
ともにCigaretteを
吸うことに罪の意識を
覚える日々が続いていた
僕が贖うべき罪を彼女も
Cigaretteを吸うことで
それにならって罪をかぶっていた
わかっているので
胸がとても痛んだ
吸うたびとても苦しかった
それでもCigaretteを
求めていた自分と
連れになって吸っている彼女が
今ではもう信じられない
いつも口づけは苦かったと思う
とうとう今夜
彼女が寝ている間に
意を決して
徹夜で自分と
彼女のCigaretteを
一本を残して吸い尽くした
これでCigaretteを
吸い納めにすることにする
僕は朝まで起きていて
彼女に最期の一本を
吸うかどうかを
聴くことにしている
当分のあいだ
戒めの一本として
飾っておくかもしれないが
それまでの時間は
これまでの人生の片づけをする
その人生の片づけをできなければ
二人は未来だけではなく命をも失う
もう少したてば
きっともう口づけは
苦くはない
前 グループ"No Smoking Anthology"
編 削 Point(8)