川岸/るるりら
 
土手を
なんなく飛び越えて 車道に登ってくる 
蛙で 溢れる道を わたしも 裸足で歩く

とけてゆきそうなアスファルトに 
蛙の何匹かは 干からびている
水着からしたたる水の後も わたしの心も 蛙にカエル
あるくピッチも ビチビチ跳ねる

わたしたちは、海というゲートを通過してきた、のか
わたしたちの故郷は この道の先にある海なのか
とにかく叫ばずにはいられない「アジっ アジジ」 
わたしが、蛙と同じ たましいでアスファルトを飛び跳ねる と
水着から水が滴り、ぴしゃり 尾鰭のような音がした
   グループ"メビウスリンクにも投稿した作品"
   Point(10)