下の名前/アンテ
授業のあいだ
体がふわふわして
気がつくと
ボールペンを消しゴムに突き刺して
押さえつけて
かろうじて
ここにしがみついていた
ミサキちゃんには
気づかれたかもしれないな
でもまあいいや
頭がうまく回らない
昨日の晩
あんたのママから電話きたよって
言われるまで忘れてた
まだ言い訳もしてない
初めて行ったあの人の部屋は
お世辞抜きで散らかってた
週末に片付けにこようかって
冗談だったのに
ぴしゃって断られた
ほかの娘が来たとき困るもんね
なんて言えない
この方が落ち着くんだ
そっかあ
ありがとなって
下の名前を呼ばれた
いちばん好
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