『遡上の果て』 卵から始まるはな詩?/ただのみきや
る
ごめんね
ごめんね
何かできる
私に
何かできる
下腹部が裂けるように熱い
膣から中身が溢れ出し
裏返る 私は
傷ついた むき出しの子宮
男の顏はいつも無い
この男とそのうち寝るのか
また繰り返すのか私は
《オカアサン オカアサン オカ……
マストに突き出たヤードみたい
包丁が刺さって
白衣の水兵さん
アホウドリみたいにじっとして
赤い血が赤い卵に降り注いだ
《オカアサン 精子ヲ 精子ヲカケテ……
子どもたちのために
私は男の腹を裂き
手を入れて白子を捜している
《遡上の果て:2015年5月17日》
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