Miz 20/深水遊脚
 
は必要ないと判断した幸政くんは立ち上がった。そして言葉を続けた。

「だから俺の見立てではおまえは間城より下なんだ。そうだな、試しに気分よく戦うお前のファイトをみせてみろ。格闘でも能力戦でもいい。まだやれるだろう?」

柏木くんは敵意むき出しの目を幸政くんに向けながら、ゆっくりと立ち上がった。

「そう来なくちゃな。模擬戦は単に力を見せつける場所じゃねえ。不利なときも戦いをやめないでもらいたいものだ。」
「誰が不利なんですか?」
柏木くんが起き上がってタックルを仕掛けた。幸政くんはそれを受け止めて組み合った。
「状況はプライドを混ぜずに客観的に把握したほうがいいぞ柏木。おまえに有
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