Miz 7/深水遊脚
ちゃんの一生もない。それでいい気がする。」
「そうですね。いろいろ考えてきたし、これからも考えると思います。」
「眉間のシワ、まだ消えそうにないね。」
「そうですか?だいぶリラックスしているつもりですけど。まだ残ってます?」
最後はそんな軽口を叩きあって、すぐ近くの待機所に向かう澄花さんと別れた。日差しはもうだいぶ弱く、強めの風が頬を冷やした。私自身が戦う理由と戦う相手、それをはっきりさせるために薫子の記憶と向き合う作業は、澄花さんと心地よい時間を過ごすことによって、いつの間にか出来ていた気がする。薫子そのものにたどり着いたわけでもなければ、正義についての考え方が定まったわけでもなか
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