Girls Barでの小さな吸血/りゅうのあくび
み干したくて
注文をする
時間は
赤い心臓の鼓動が叩く
リズムのように
流れていて
ちょうど
ジャズピアノの鍵盤が
アップテンポの
やわらかい舞曲を
奏でている
ゆったりと
みなぎる血液は
もぎ採ったばかりの
はじける林檎の薄い皮を
ゆっくりと剥いていくように
流れてゆく
鮮やかな血液の色をして
心臓のかたちをした
林檎の果実から
剥かれて離れてゆく
ひとつながりになった
赤くて薄い
果実のかけらには
透けるように
甘酸っぱい薫りが漂うはずで
バーテンダーの少女と
流行のメイド喫茶の
作法について
片言の会話を終えると
明
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