真夏の骨と雨/りゅうのあくび
太陽の厳しい陽射しにさらされて
赤黒く色褪せた
夕暮れを夜空に染める
とても細い雨降りの音は
真夏のRequiemのように
聴こえて微かに哀しい
久しぶりに
ゆったりと
寂しく過ごす夕食
やや透明なグラスワインを
飲み干す前に
まるで海水のような
不思議な薫りが漂う
鮭のムニエルは
もう直ぐに食べ終わるだろう
明日の朝食は
そうめんにしようか
バスが出発する時刻を
案内する一本の鉄骨が
真っ直ぐに伸びている
まるでかつて誰かが吹いていた
錆びた銅色の
古びたフルートみたいに
優しい雨が降っている
ちょうど天気予報は外れて
傘を持ってはい
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