足跡と生きること/りゅうのあくび
ても
武器を持った
敵国の人間を殺めることは
犯罪ではなく
必至の仕事であったりもする
命が失われることなく
犠牲を生むことなく
人間として重い罪を
背負うこともなく
ただ平和を願うばかりだけれど
誰しもの足跡には
暑い夏の陽射しが
照りつけても
僕らはまっさらな現在を
探して歩き続けるだろう
少しずつ幸せな
未来へと近づきながら
ある意味では
過去にどんな不幸があったとしても
人間とはひとつしかない命として
生きていく足跡である
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