千年杉の猫月夜-9/22/りゅうのあくび
黒猫たちは
人間の力を
恐れませんでした
あくる朝には
深い霧が晴れて
太陽のしたでは行動が
穏便ではないので
捕らえられた
猫たちの奪還は
潮の引く
新月になる今夜を選び
作戦の決行を
することにしました
黒猫の心友である
千本杉を巣にする
鳥たちに力を借りて
まず偵察をお願いしました
どうやら猫たちは
首輪をされているだけで
全員無事に生きていて
安堵しました
新月である今夜未明にも
鳥たちに次は囮になって
もらう約束をしました
鳥たちが何羽も
鳴きながら低空飛行して
水夫たちの注意を
随分と惹きつけてくれて
黒猫たち
[次のページ]
前 次 グループ"猫詩集"
編 削 Point(8)