水滴を巡る追憶には/
りゅうのあくび
遠くの雷鳴を聴きながら
駅舎の改札で待ち続ける
電車が鉄道駅に
停まる時刻より遅れて
改札に恋人が到着する
何だか一瞬と永遠は
とても似ている
まるで水筒から
そっとこぼす水の雫みたいに
愛のひと粒はうるおい
種のひと粒になる
駅舎の清潔な床からは
恋しい人が綺麗に咲いている
愛のひと粒から育まれる
感謝に包まれる花は
恋を確かめるように
ささやかな笑顔として
にっこりと咲く
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グループ"Lovers Fantasy"
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