灯台守のポートレイト/りゅうのあくび
をした海となる
一匹のドルフィンとなって
恋人の波のあいだを
夜が明けるまで
月が沈む場所へと
しなやかに伸びをしながら
泳ぎ続けるドルフィンは
熱くなった海の中で
揺れながら恍惚に溶けてゆく
そして恋人が
横たわっていた
浴槽での情景を
まなざしに焼き付けて
油彩画の続きを
描き始める
白い塔は
少し斜めの方へ
そり返していて
降り続く
しっとりとした
真夜中の雨をつらぬいて
そっと夜空の
奥にまで届いていく
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