粉机/竜門勇気
 
濃くなんなら冬の初めと行っても良かったかもしれません。
10月になっていたか、その寸前のようなそんな日であって流れる水は冷たく、ひどい不快な気持ちが押し寄せてはいました。
しかし、わたしは冷たく流る水は非常に潔白なものであると信じておりますので、その一筋の水の中に我が身を打ちつけていたのです。
そこでしばらく立ち尽くしていたわたしですが、やがて震えが膝から耳の上まで上り詰め体がうまく言うことを聞かなくなってしまったものですからしばらく身を休めようと、用水路の脇のやけに細かく崩れた砂利の散る道にすがるように登りました。
靴の中にまで冷え切ってしまった水が満たされていました。わたしの中身はなん
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