業務日誌/竜門勇気
俺は、仕事に取り掛かっている。
この仕事はとても大切な仕事だ。なぜならば、 菩薩(部長クラス。すごく怖いし、すぐに怒鳴る。怒鳴ると、痰のような細かいどろっとしたものが飛んでくる。だから怖い。) がそうおっしゃったからだ。
業務の内容は ”前” から流れてくる、 ”物事” を分けることだ。
物事が、 「大切」 ならば問題はない。そのまま流す。流して溜める。
俺の持ち場の遥か後方には ”地層” がある。 ”地層” は柔軟で、どんないびつな 「大切」 な ”物事” であろうと何年もかかってあつらえた革靴のようにピタリとそこに収まるようにできている。
まず流れてきた ”物事” は 「振り返ると、
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