夜更けの紙相撲・静かなお盆/そらの珊瑚
自分という存在が、絶対的にひとりだと、気づいたのはおそらく子どもだった頃と思う。
なんでもない日の、なんでもない朝。赤いランドセルを背負い、竹で出来た定規をそのふたの隙間からのぞかせていた、小学校へ向かう道ばたで。
心の中にあふれてくる思いを、自分と同じように理解してくれる人はいないのだなあと思うことは、ひどくさみしいことだった。
それは生活という中で器用に忘れていても、ふとしたときに、波に揺り戻されるように、またよみがえってくる。
そのたびに、ぼんやりとしてみせながら、その時をやり過ごした。
ひとりだということを肯定し、たとえば自分が大海に浮かぶ一個の浮標(ブイ)のようなも
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