五月の鷹/石瀬琳々
夜のドレープに裂け目が入る
夜明けが裾にそっとくちづけると
私はすべてを脱ぎ捨て
一羽の鷹になって飛んでゆく
まとわりつく冷気を翼で切りながら
あなたを求めて飛んでゆく
私はこの目であなたを見透かす事ができる
あなたのもとへ飛んでゆく事も
あなたを追う事もできる
私のガウェインよ
まだ眠っているだろうか
霧に包まれたまどろみの中に
まるで眼下に広がる森のようだ
私はその鼓動を知っている
湿ったやわらかな静脈の手触りを
今まさにこぼれ落ちようとする吐息を
私はこの爪であなたを切り裂く事ができる
あなたの胸にじっと
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