【嵐】 根を張る/るるりら
 
石灰岩の岬で その木は咲いていた
岩礁を咀嚼する波しぶきで、真夏だというのに咲いていた 桜の木
あの花は  きっと永久の入り口を見たのだ

桜は黄泉を観ていた
泣いている人々のことは おかまいなしに
人の泪など どこにも届かなくて良いことだ
だれかに届けたい 悲しみなんてない そんなもの
波に揉まれて喰われてしまえばいい

なにかを捨てようとしているとき
その本質は もうそこには すでにない
蛹がいきなり 蝶にはならないように
蝶が蛹を捨てるとき もう蛹の中に蝶はいない

きみのいなくなった部屋の窓をあけると
桜散らしの雨がふっていて
潮が
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   グループ"「詩人サークル 群青」るるりら"
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