灯る/深水遊脚
入荷を待ちわびていた
会心のケニア
差し出す店主の顔も話し方も
嬉しさを隠しきれていなくて
実はそれが何よりも
目の前の一杯を美味しくする
焙煎機も一仕事終えて
今日は隣りがやけに
華やかじゃあないか
いつも作り出してくれる
内に秘めたいろいろな色が
青、緑、赤、こうして
目に見えるかたちで
並んでいるというのも楽しいね
ダウンライトに照らされた
おでこの金色がまたイイ！
褐色の濃淡で世界を彩る
控え目だけれど じん と広がる
いつもの深みもいいけれど
一年で日没が最も早い
透き通った空気を背景にして
光も 色も 味も
はっ と灯る
前 次 ｸﾞﾙｰﾌﾟ"コーヒー・アンソロジー"
編 削 Point(8)