月の氷/そらの珊瑚
 
餅つきに飽きて兎はナイターで月の氷を滑っています

煮詰まった砂糖が夜に冷えていきゆっくり月はべっこう飴に

おつきさま あなたの裏は永遠に知ることのない孤独でしょうか

月明かり 独り寝の子のかたわらで夢の扉をそっとひらける

アレキサンドリアの天空見上げ 浮かぶ鏡に明日を占う


   グループ"夢見る頃を過ぎても(短歌)"
   Point(13)