括られた九月/小池房枝
さま一枚おくれな
涼しさは替えたばかりの蛍光灯 詩人の留守にひとり見る月
子供たちドングリそんなに集めてさ一年分もどうするつもりさ
ムルムルは佃煮よりも動いてる彼らとぴよんこぴよんこしたいな
リービッヒの最小律は君にとって外部ではなく君自身だろ
ただびとの一生に見る二回分はもはや見たりとカエルの畦道
通りゃんせお通りよここは遠い日の思い出どんぐりぴしぱし降る道
髪の毛が触手だったらいいのにな百円ショップ薔薇の髪飾り
夏を終えたわわに実った果樹たちを狩りとれ西の善き魔女たちよ
夜と名づけられたなら夜になれるかな胸にひとを抱いて深く静
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