生えて来ていた弥生/小池房枝
姿も
ひとさおと何故数えるのかわかるよな箪笥は不思議な漢字をしている
よく冷えた空を通ってきたらしく雪はひらりとここに舞いました
人々の暮らしも基地も原発も何もかもなゐの上にある国
屋根の上こんばんおわぁと猫たちはおわんをもって托鉢においで
わたしでんでん這い跡夜目にも光ります殻の中には無限の図書館
ツーツツツー草木や花の気ぜわしい春のモールス信号を聞く
ヒヤシンス羽ばたくようにオデットは上向きに咲いて両手を下ろして
まだ濡れているアスファルトに青空が映って車は不思議ドライブ
喧嘩の喧「やかましい」って読むんだね鮮やかに出入り出来たら
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