生えて来ていた弥生/小池房枝
一昨日(おととい)が日蝕でした今日細い月を探すと見えていました
カラス座が見える春には懐かしく地平線下の星々を思う
花たちの静まる気配に何事かと思えば空に月浮かび来る
向こうからこちらへことりと落ちてきたばかりのような明るい月です
冬天という響きの中つんと突き抜けて光ってた星たちさよなら
惑星もスピカも全てかき消して月だけが浮かぶ春霞の夜
半月の光も和らぐ春の夜さそりもふわりと寛いでいる
すあま二つ逢魔ヶ時に持って出て桜の下でたれぱんだを待つ
真夜中に揺らいだ海と島のこと聞いたら何を思えばいいのか
雨の日のカタクリかたく身を閉じて爪先立ち
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