幻影のバラード/るるりら
ねようが
ビルの中ではスピーカーの音が割れようが
窓の外でオスの始祖鳥は 大空で恋敵を競り合い
植物さえ甘くさせる恋の歌を 高らかに歌っている
少女はというと、バラードの中で ヤマネとよばれつづけ
上司のタヌキとともに 大トラとも戦った
しにそうでしにそうで しにそうなバラード
そんな ほうらつな野生のバラードも いつしか終息を迎える
ふたたび訪れる しばしの冬
ヤマネには 幸せとは何かは解らない
けれど「わたしって幸せ」が口癖だ
ただ ほんとうは
つぎに目覚めるときは
別の生き方を 望んでいる
うつくしくも切ないバラー
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