羽矢と霧矢/るるりら
羽矢と霧矢は まゆみの木を みずからの眼力で選び
切り落とし弓と成し、その矢を射る。
深い霧の中に 白百合が群生している
この村には いまは おなごしかおらんけんど さすけね
羽矢と霧矢も おとこみたいな名で 呼び合っているけんじょ
本当は おなごだ
年端もいかね 百合の花なら まだ開いてねぃ蕾だ
だけんじょ 心の中は 大人みてぃに ひんやりと 鎮まってる
戦の話を聴くと せつねえ
羽矢と霧矢と名乗って いたずらずきの もののけなら容赦しねい
だけんじょ 人と人とが いがみあうのは せつねえ
ふたりは 弓を背に 村を守る
霧は
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