世界の半分に捧げる歌/るるりら
 
「今」という車窓から 地球を覗き込むと、中心は相変わらず たぎっている
「まいど」という だれかの声は きっと 
腕時計型端末を耳に当てて 
 最新の黄昏方をしている 


黄砂も吹かぬ 地球の裏側の黄昏方を わたしは知らない
月は表側しか私たちに見せていないけれど 
地球の半分の人々の日向と日陰の移ろい方も わたしには感じられない


冬へと向かう時代を ニュースが伝える。
はだかのこころでは、つたえられたことばが つかめない
眼鏡をはずすと、世界は多重化して どの姿が本当か よけいに解らなくなる。
これも 非点収差というのかしら

わたしの
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