墓石の幻想郷/るるりら
 

それはとても柔らかくて静かな日だった
わたしは視力を失いかけている母の目を治すことのできる医師が
この地にいると聞いて はるばる この地にやってきたのだが
偶然にも その夜は、祭りの日だというので 母には悪いが
母をホテルに残し ひとり見知らぬ街にくりだした

まるで草の根も お囃子にそよいでいるかのようだった
坂の多い海辺のちいさな町の夕暮れに 点在する家々からの胡弓の調べが
ほのあかるく揺れている

無言で踊る女たちの貌は みえない
半円の笠を被っているからだ
しろい指で描かれる まるみをおびた風のゆくえ
越中おわら節 風の盆

そろいの浴衣の踊り子は 
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   グループ"るるりらの 即興ゴルゴンダ"
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