黒潮鉄道/
伊月りさ
たしが浮かんでしまいそうなほど
さようならの快感を教えてくれる
だれかを助けたくさせる
小さなトンネル抜ける轟音に似た
波打ちの音
南下する音に
荒波に
のみこまれていく小石ひとつの
なめらかな瞬間だけでいい
肯定を知りたい
わたしは
それでも潮の写真を撮るのだから
戻る気でいる
繋がりたいと思っている
繋がりたいと
また
見ないように
見られないように
加速して
汗も
塩辛い
わたしが行ってしまった
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