飛ぶ鳥,落ちる鳥(鋭角と季節のはじめ、台風の間)/はるな
 
ような心地がそこにはある.わたしはふいに気づく、ドアーを通じることなしに、世界を知ることは出来ないと思っていた時期があった、でもいつのまにかその時期は終わり、わたしは他人の窓越しに経験を得ることができる.それが取るに足らないものであっても.

風の強さに喜びながら、素肌が通過していきます.黒髪も、白いシャツも、水を弾くように新鮮な季節です.何もかもが正しく配置された路地裏です.斑の猫を見ました.

こんな午後に、物事は遠くにあります.それは等しく、わたしは許しを思います.わたしはいつだって許されたかったのです.遠さは、許しと少し似ています.あきらめではなく、諦められたわたし自身に関して.
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