飛ぶ鳥,落ちる鳥(鋭角と季節のはじめ、台風の間)/はるな
ような心地がそこにはある.わたしはふいに気づく、ドアーを通じることなしに、世界を知ることは出来ないと思っていた時期があった、でもいつのまにかその時期は終わり、わたしは他人の窓越しに経験を得ることができる.それが取るに足らないものであっても.
風の強さに喜びながら、素肌が通過していきます.黒髪も、白いシャツも、水を弾くように新鮮な季節です.何もかもが正しく配置された路地裏です.斑の猫を見ました.
こんな午後に、物事は遠くにあります.それは等しく、わたしは許しを思います.わたしはいつだって許されたかったのです.遠さは、許しと少し似ています.あきらめではなく、諦められたわたし自身に関して.
[次のページ]
前 次 グループ"手帳"
編 削 Point(5)