おしまい/草野春心
 


  歌よ、
  さようなら。
  みずみずしい言葉の列を
  かつてはわたしに注ぎ込んでくれた
  歌よ、さようなら
  これでおしまい。



  わたしよ、
  さようなら。
  幼子のように駄々をこね
  あのひとの手をかたくなに握った
  わたしよ、さようなら
  これでおしまい。



  心はいま、
  一度だけ終わる。
  それから心のようなものが
  ふたたびわたしに用意される
  だから、さようなら
  これでおしまい。



   グループ"春心恋歌"
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