中ぐらいの部屋/
草野春心
誰もいない
中ぐらいの部屋で
音楽が静かになっていく
というような気持ちで
貴方を抱きたい
小癪な 爪の光が
凄い桃色へはじける
先刻うしなった何かを
もう 捜す気も起きない
と、いうような
淋しさで
貴方を隠したい
中ぐらいの部屋の
つくえのかげにある
もっと、淋しい隙間に
前
次
グループ"春心恋歌"
編
削
Point
(2)