登る/草野春心
 


  猿は黙って登ってくるのだ
  かれらにしかみえないおまえの
  躯に穿たれた釘を伝っておまえの頂まで
  それでも数匹は諦めて引き返すし
  また数匹は手を滑らせて落ちてしまうし
  然程気にする必要はないとぼくは思います



   グループ"短詩集"
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