Q/草野春心
 
    
––フレデリック・ショパン「夜想曲第六番」に

  球
  それはひとつあった
  それはさっきまでひとつではなかった
  あるいはこれからひとつでなくなる
  藍色の時間をおよいで
  切り取られ 折り畳まれ 幾重にかさねられ
  それは わたしへ 近づいてくる
  あくび 睡蓮のそら あたたかいパン
  硝子でできた夜明け……



   グループ"短詩集"
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