椰子の木/草野春心
 


  平仮名で書かれたような
  正しく間抜け向きの静けさ

  油臭い中華屋で私は
  漫画を読んでいてもいいし
  回鍋肉を頼んでもいいし

  目の縁が
  かすかに痛い
  世の中が掠っている気がする
  忽然とした 椰子の木……



   グループ"短詩集"
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