火葬場/草野春心
 


  火葬場で
  親しかったものの焼失を
  ただ待つことの夏に似ている
  そのイーゼルは ほどなく
  別の出来事に似ていく

  喚ばれて
  追憶をなめらかな塊のように撫でた
  あるいは人集りのようにながめた
  人生の白い覆いを毟り取ること
  この 問いの 木目


   グループ"短詩集"
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