物心/
きたかぜ ゆう
私の影が
自動販売機の灯りに溶ける
私という存在が
陽の光に埋もれるように
教室の隅
一人考え
暗くなる頃に
ただ悲しく
いつからこんなふうになったのだろう
陰気臭く湿った人間に
どうしてこんなふうになったのだろう
一人考える
精神こそが物体であると
空こそが色であると
認識こそが対象であると
私の影は
光を浴びてひときわ色濃く映る
私という存在が
水に溶け味になるように
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