【批評祭参加作品】空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集/石川敬大
一行だけなのでよくわからないのですが、この詩は、死んだおかあさんが病院で、少年に「つらいことがあったら、空を見て、そこにわたしがいるから」と言った記憶を想起しての詩だということです。ふわふわの白い洗濯物と母親がダブルイメージされており、ほかの受刑者たちにも深い共感をもたれた作品だといいます。
夏の防波堤
夕方 紺色に光る海の中で
大きい魚が小魚を追いかけているところを
見ました
鰯の群れが海の表面をパチパチと
音を立てて逃げていきました
この詩は、課題図書として読んだと思われる金子みすゞを想起させますが、この詩を書いた少年は釣りが好きで、魚のこと
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