【批評祭参加作品】自分の「批評」について/番田
情を、長く続けられてきた文学の流れの中で反省し始めているのだ。誰もが座っている。誰もが道の中を過去を忘れて歩いて行く。イノシシがどこかで遠吠えを上げたような気にもされている。
完成度の高い作品とは何だろう。現代詩フォーラムに上げられたどんな文を読んでみても、その神髄に触れることは難しいだろう。全てはやりつくされているのだ。現代の社会において、人が芸術家や作家であろうとすることは、本当に難しい状況に変わってきている。ツイッター上においても、著名人が吐く文章に説得力などありはしないのである。庶民は過去の偉人の名言を引用するばかりだ。そのような世界に現代社会を反映するような鋭い感銘を感じとることはできるだろうか。できはしないだろう。多くの表現は、やりつくされているのである。人は昔を省みることでしか、希望の存在するであろう未来の景色を思い描くことはすでにできないのかもしれない。
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