バーカウンターの蛙/……とある蛙
乗せた細い円柱で
三角柱が氷の入ったグラスを傾ける
もちろん氷は流行(はやり)の球体で
琥珀色の液体は発泡する液体で薄められ、
カウンター越しに
楕円形の円盤が媚を売る
扉の外にある今日を捨てに来た
三角柱は
少し躊躇して楕円を見つめる。
隣の席には菱形が
じっとグラスを見つめ
ため息を吐いているので
三角錐は酒をあおりながら様子を伺う
どうせ力も勇気も無いのだから
酒の力を借りるのもいいと
思ったか思わなかった
三角柱の僕は今日もしたたか酔っていて
グニャグニャの旧態(キュータイ)になり、
そのまま沈んでいった
そのあと不明
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